母体が専門食材を販売する会社であった事、自分がこよなくパンが好きだったことから何気なく思っていたこと。パンの材料はなぜ進化しないのか、何故もっと捻らないのか、仕事柄ベーカリーに出入りする事もありパン職人さんは何故これだけ大変な仕事をしているのにライトが当たらないのか、激務な仕事をしているのにパンの価格が高とか、美味しくないとか世の中の声が聞こえてくるのか、誰に聞いてもパン職人さんの仕事って大変だってこと位は知っているはずなのに職人さんは皆純粋なんですよ。高いと言われるからお客様に寄り添い過ぎてしまい安くしてしまう。安くするから売上を作るためには数を作らなければいけなくなってしまう。ふと気がついた時には仕事が終わらなくなっている。真剣に材料の事や製法のこと、忙しく過ぎて新しい事に取り組む暇がなくなってしまっている。
価格を見ると未だ100円代/1個で販売されているお店もまだまだ沢山存在している100円代で販売せねばお客様が困る!なんて最初に考えてしまうからこそ、気がついた頃には材料の品質を落としていたりする。結局安く提供しているんではなく、材料を落として調整しただけなので当然質は下がっているわけです。これでは続かない。。。これは作り手も損をしているしお客様も損をしていると思っていました。ここまで来ると、小さな頃から当たり前のようにこれらのパンを食べつづければこれが味覚がスタンダード=習慣になってしまう。パン屋さんって、すごく増えているように感じているかもしれませんが、実際はTruffleBAKERY創業からの5年間でも全国の町のパン屋さんはこの環境・時代の中で少しづつ姿を消しています。ですので、町のパン屋さんの全体量は減少傾向にあるのです。普段何気なく過ぎていく環境の中では、業界的な課題があったとしても待ってても変化はおきない。とは言え、会社を飛び出せば一消費者である私達。
仕事柄よく訪問する海外のベーカリーのドキドキ感、ときめくようなベーカリーがあってもいいんじゃないか。日本でももっとパンを面白く買いたかったし、もっともっと健全にしたいし、ベーカーさん達を凄く評価したかったし、仕事に見合った対価をもらわんとやりきれない気持ちにもなるだろうし、そもそも美味しいパン食べたいし、もう溢れる気持ちはいっぱいだったんです。冒頭で色々と書いていますが、これら僕達の取り組みや考えている事が面白い良いんじゃないか!って、多くの方々に支持して頂いたり喜んで頂ける可能性があったり、もしも無いとしても、ほんんど少しでも社会貢献できる余地があるならば自分達でベーカリーをはじめようと考え、5年前にスタートしたのがTruffleBAKERYです。この考え方は、企業理念にもなっているONE STEP BEYONDの精神です。 |